剣心を強く想いながらも東京で待つ選択をした恵さんの覚悟と気持ちの込められた薬が薫に託されたところも、それを剣心が受け取るところも大好き。恵さんは最初から「皆は剣さんを追って京都に行くだろう、でも私はここで医者としての道を貫き通す」って覚悟ができてる。そんな中でひとりごちた「私だけが置いてきぼりか……」って言葉に思わず抱きしめたくなる。 #る
私は「剣心に会いたい」という気持ちひとつで京都に行った薫が大好きで、そしてその上で、人誅編で剣心から過去を告白され更には未来の不確実性を説かれた後に、それでも、だからこそ、薫の口を衝いて出た「私は剣心と一緒にずっと居たい」という混じり気のない透き通った想いが大好き。 #る
この上なく深い親愛の関係が根としてあるが故にたおやかに枝葉を伸ばし続けるんだ。 #る
新井赤空も相楽総三も、亡くなった人たちはみんな歳を取らない。ずっとそのままの姿で生きてる人の目の前に姿を現す。夢か幻か亡霊か分からなくとも、ずっとそのままの姿でいる。 #る
赤空の亡くなった年齢より剣心が長生きしたとして。夢の中に出てきた赤空が剣心に「老けたな緋村。まだ甘い戯れ言を言い続けているのか?」って聞いてくる、という話。 #る
自分の気持ちとは裏腹に端から見れば矛盾した生き方をするしかなかったのは赤空も剣心も同じで、そんな赤空が「深い悔恨とわずかな希望」を祈りに込めて残したのが逆刃刀なんだ。祈りでしかない。そして流浪の旅路の先に出会った活人剣を志す薫の存在が、その静かな祈りに一筋の光を齎してくれている。 #る
出会った時も過去については尋ねず、人誅編のめちゃくちゃ心の具合が悪い剣心に対してもまずは怪我の心配をする薫の優しさが本当に好きなんだけど、剣心の命に関わる事なんだから奥義についてはちゃんと聞かせて、ってめちゃくちゃ良い。 #る
そんでもってその後に「あとは拙者の心次第」の意味をもう一度尋ねられて解らないなら解らないでいいでござるよ…と流そうとしたのに珍しく食い下がった薫の「だって剣心の命に関わる事なんだから」って言葉に頬を染めて微笑む剣心の良さ。 #る
だからこそ奥義会得後に剣心が薫に奥義のことを尋ねられて「あとは拙者の心次第」って答えるの、すごく誠実で好き。 #る
人って一見相反するような感情も同時に持ち得るし、シームレスな感情の遷移もあればまだらに入り混じったまま抱え続けることもできる。あまり「二面性」という言葉で括りたくない節がある。答が出せれば、闘いに決着がつけば、それで急に何もかも心変わりする訳でもないし世界が変わる訳でもない。儘ならなさを抱えたまま歩き続ける人にどうしようもなく惹かれる。 #る
その「生きようとする意志」を持つためには他者と関わることが不可欠で、贖罪のためずっと人と関わることを避けて全国を流浪してきた剣心にとって神谷道場に辿り着いてからの人との出会いがなければその強い意志を持つことはできなかった。あの時薫が呼びとめてくれて本当によかった。 #る
やっぱり剣心にとっての弱点が「悔恨と罪悪感のあまり自分の命を軽く見積もる自己犠牲の精神」で、それを克服するために必要なのが「生きようとする意志」だった、ってストーリー・キャラクター造形が好きすぎる。
そしてそれを経た上で悩み苦しみ抜いた末の答が「贖罪の人生を完遂すること」なの本当に本当に胸を打つ。 #る
そしてそれを経た上で悩み苦しみ抜いた末の答が「贖罪の人生を完遂すること」なの本当に本当に胸を打つ。 #る
第一幕で剣心が道場内で闘う時、いつの間にか履物を脱いで足袋だけになっているのなんか良い。神谷活心流や道場への敬意を感じる。全コマ確認したわけじゃないけど真古流の同志の時も斎藤の時も人誅編の時も道場内では履物を脱いでる(左之助や番神は履いたまま)。 #る
道場の一番奥の壁際で血を流す薫の屍人形を、剣心は道場の入り口付近から目視している。そのまま入り口付近で膝から崩れ落ちた剣心だけど、個人的にはそこから一切近づくことはないまま、触ることもないまま、左之助と恵が薫の屍人形に近づいたときに姿をくらましたと思っている。 #る