日日

葉や実は季節と共に色づきやがて移り変わっていくけれど、剣心と薫にとっての「ゆっくりと深まっていく人の絆」は大樹の幹や根のようなものなんだろうと思う。 #る
私は「寂しさ」に自覚的な人が好きだけど、それはなんというか、人間が生きていく上で根源的に抱えるような寂しさであって、解消したいものでも忘れ去りたいものでもない。産まれ落ちた寂しさの膜みたいなものはうっすらと心に張っていて、それは他者の干渉でどうにかできるものではないけれど、溶け合うことのできない皮膚の感触があなたと私の輪郭を教えてくれる、みたいな二人が好き。だからこそ日々のささやかな可笑しみを分け合って哀しさと寂しさを個々に携えながら同じ夕日を眺めて目を細めてほしい、のだ。 #る
風となって頬を撫でてくれるってなんか、なんだっけかな〜と思ってググったら木下龍也さんの短歌だ。日々を何度も撫でる、だ。めちゃくちゃ良い。

愛された犬は来世で風となりあなたの日々を何度も撫でる
いつでも手を離すことはできたかもしれない。それでも、今こうして手を繋いで歩いていく道を二人は選んだというのが良い。たとえいずれ繋いだ手を離すときが来たとしても、これまで交わした言葉と時間が、記憶が、やさしい風となって頬を撫でてくれる。 #る